社長の一言
2024.11.19
11月
今年の富士山初冠雪は11月7日、観測統計開始以来130年間で最も遅い記録だそうです。
「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
(秋が来たと、目にははっきりとは見えないが、爽やかな風の音ではっと気づかされた)
古今和歌集、藤原敏行の有名な句です。
因みにこの句の秋とは立秋で、今の暦だと8月7日頃、まさに猛暑の時ですが、
当時はこの時期から秋の気配が風の中に感じられたのでしょうか。
東北の3大夏祭り巡りをしたことがあります。
「青森ねぶた」も「秋田竿燈」も8月の第一週、まさに盛夏に行われますが、その激しく、
かつ厳(おごそか)な祭りが終わると東北では夏が去っていく一抹のさみしさと、
秋の収穫期を迎える喜びが混ぜあった複雑な感情があるのだそうです。
しかしながら秋はどこに行ってしまったのでしょうか。
先の敏行の句、「風の音」を「風の寒さ」に置き換えると、秋が短く、すぐ冬が来てしまう現代の季節感に合致するような気がします。